鴻巣で50年間続いた『銀座バーバー』はなぜ潰れたのか【コラム】

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鴻巣駅前通りにあった『銀座バーバー』が2015年3月15日で閉店しました。

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50年間続いた床屋がなぜ潰れてしまったのでしょうか?

再開発による撤退などのうわさが出ていましたが本当なのでしょうか?

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そもそも、銀座バーバーという床屋はチェーン店でさいたま市に本社を持ち、全国に床屋・美容室を63店舗を展開する『ハンサムグループ』(創業65年目)による運営でした。

企業による運営ですので、店主の高齢化など商店街でよく見られる店舗廃業ではありません。

また、『再開発』については道路を隔てた明石屋旅館・かのや酒店などの『駅通り地区』が再開発対象で、銀座バーバーのある場所は再開発の予定はないため、これも撤退の理由ではないようです。

さらに鴻巣市の人口はほぼ横ばいですので、過疎地によくある人口減少による閉店でもありません。

単純に『利益が少なくなった』ことによる撤退と思われます。

ではなぜ撤退したのでしょうか?

下記4点が考えられます。

 

①、『近隣に美容室が新規出店』

調査によると、2014年9月~2015年2月の半年で銀座バーバーから半径300m以内に美容室が2店舗出店・純増となっています。

人口が増加していない状況で、競合が2店舗増えればそれだけ1店舗当たりの売上は減少します。

競合出店による利益率低下が閉店の理由の一つであることが予想されます。

 

②、消費動向が二極化

1億総中流であった1970年代から、現在は所得が2極化したといわれます。

当然消費動向も2極化し、低価格に絞りサービスを省いた床屋・美容室と、高価格でも高いサービスを提供する美容室の2極化し、中間の価格帯・サービスは両者に顧客を奪われる状況に陥ります。

鴻巣でいえば、低価格戦略はエルミSCにある『QBハウス』。

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1080円でカットができるため学生などに人気ですが、シャンプー・顔剃りはなし。

低価格で勝負しています。

一方、鴻巣の高価格戦略事例としては、『SPOB』が挙げられます。

以前のSPOBの記事 http://konosu-news.jp/culture/post-282.html

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カットは5000円ですが、内装・サービスともに高いレベルです。

では銀座バーバーはどうでしょうか。

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カットは2310円でシャンプー顔そり付。

QBハウスとSPOBの中間に位置するため、2極化する消費者のニーズを満たさず、両者に顧客を奪われる可能性があります。

顧客流出による来場者数の低下が閉店の理由と予測されます。

 

③、チェーン店のデメリット

とはいえ、周辺の個人経営者の床屋も価格帯が3000円前後であるため、顧客を奪われる可能性がありますが、生き残っています。

なぜでしょうか?

これには理由が2つあります。

一つは個人経営者は自宅を店舗にしているため賃料がかからないこと。

もうひとつは個人経営者が鴻巣の古くからの住民であり、知り合い・友人などを顧客にしているため、一定程度の来場者があること。

銀座バーバーはチェーン店であるため賃料がかかり、また理容師に異動・退職があるため、長期顧客が付きにくいことがデメリットになったのでしょう。

チェーン店のデメリットが来場者減となり、高いコスト体質が利益低下に耐えられず、閉店に至ったと思われます。

 

④、床屋ニーズの低下

そもそも床屋自体のニーズが下がっています。

厚生労働省の調査によると全国の美容室の店舗数(=美容所・下図の青線)は平成元年から増加傾向ですが、床屋の店舗数(=理容所・下図のピンク線)は減少傾向です。

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多様化する消費者のニーズを床屋は満たせず、美容室に顧客を奪われて続けていると思われます。

鴻巣でも同様の傾向で、銀座バーバーも美容室に顧客を奪われてつづけていたことが予測されます。

 

上記①~④の要因が組み合わさって銀座バーバー閉店につながったと予測されます。

 

50年続いた老舗といえども、変化し続ける消費者ニーズに対応し続けなくては閉店してしまうという社会環境の厳しさ。

少子高齢化がより進んでいく状況を考えると、鴻巣のまちも早急に抜本的な改革が必要といえます。

 

昔から住んでいる方々、新しく鴻巣に引っ越してきた方々、商店主・商店街の方々、行政・各種団体と連携して街づくりを考える時期が来たのかもしれません。

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